
BGS鑑定でブラックラベルというものを取得すればPSA10よりもカードの価値が高くなると聞きました。ただ、BGS鑑定についてよく分かりません。詳しく教えて下さい。

分かりました!提出方法からブラックラベルを取得するためのコツまで詳しく解説します!
PSA鑑定については実践しているeBayセラーは多いと思いますが、BGS鑑定まで行っているセラーは中々いないと思います。
ただ、ポケモンカードなんかはBGS鑑定で良いグレーディングを取ることで場合によってはPSA鑑定よりも圧倒的に稼ぐことができることがあります。
こちらの記事では、少しマイナーな鑑定機関「BGS」について詳しく解説していければと思います。
【この記事をオススメしたい人】
・ポケモンカードやワンピースカードを販売している
・PSA鑑定に挑戦したことがある
・BGS鑑定について知りたい
・BGS鑑定でブラックラベルを取得するコツを知りたい
BGS鑑定とは?
BGS(Beckett Grading Services) は、米 Beckett Collectibles が運営するトレーディングカード用の第三者鑑定サービスです。
1999 年に誕生し、スポーツカード界では PSA と並ぶブランドです。
特に “ブラックラベル” と呼ばれる BGS 10 Black Label が付いたカードは、市場で最上位プレミアとして取引されます。
下の画像を見てもらえれば分かると思いますが、ブラックラベルを取得するとPSA10の素体と比べてもはるかに価値が上がることが分かります。


価値が高くなるということは、その分ブラックラベルを取得すのは難しいということでしょうか?

おっしゃる通りです!かなりカードを選別しないといけません。
BGS鑑定のグレード(点数)基準
BGS鑑定では 1.0〜10.0を0.5 刻みで付与し、Centering/Corners/Edges/Surface の 4 項目にサブグレードを付けて総合点(オーバーオール)を決めています。
総合点 | ラベル色 / 呼称 | センタリング許容値 ※(表/裏) | 角・エッジ・表面の主な許容欠点 | 備考 |
---|---|---|---|---|
10(Black Label) | 黒ラベル Pristine | 50/50│60/40 以内 | 4 項目すべて 10/10完全無欠 | 最高位。ブラック取得率 ≈0.05–0.1 % |
10(Gold) | 金ラベル Pristine | 50/50│60/40 | 3 項目 10、残り 1 項目 9.5 | “完璧に限りなく近い” |
9.5 | 金ラベル Gem Mint | 55/45│65/35 | 微細な白欠け・表面点傷のいずれか 1 か所まで | PSA10 と同等〜やや下 |
9.0 | 銀ラベル Mint | 60/40│80/20 | 肉眼で軽微に判る角の白欠け/表面線傷 | |
8.5 | Near Mint-Mint+ | 65/35│85/15 | 角丸み小・エッジ摩耗小・表面小キズ複数 | |
8.0 | Near Mint-Mint | 70/30│85/15 | 小シワ・軽い色ムラ・光沢落ち | |
7.0 – 5.0 | EX 系 | 75/25〜85/15 | 目視で分かる摩耗・小折れ | コレクション/プレイ用 |
4.5 以下 | VG 以下 | 90/10 以上 | 目立つ折れ・欠損・汚れ | 投資価値は低い |
※センタリング比率は BGS 公開スタンダードを 2025 年時点で要約(表=左右差、裏=左右差)。
項目 | 10 | 9.5 | 9 | 8.5〜8 |
---|---|---|---|---|
Corners | 裸眼でもルーペでも完全シャープ | 微小な白点 1 未満 | 1〜2 角に軽微な摩耗 | 複数角に摩耗・丸み |
Edges | チップ・インク抜け無し | ルーペでのみ極細チップ | 肉眼で白欠け点 | 欠け線状・摩耗多数 |
Surface | 完全光沢・凹凸なし | 微細な印刷点 or スクラッチ1 | 表面線キズ浅いもの複数 | 表層シワ・小汚れ |
Centering | 上表参照 | ― | ― | ― |
※サブグレードごとの満点が 4×10=40 点揃うと Black Label、39.5 点で Gold 10 に位置づきます。

コーナー、エッジ、サーフェス、センタリングの4つの項目で満点をとればブラックラベルなんですね!

おっしゃる通りです!下の画像のように同じBGS10でも普通のラベルのものとブラックラベルのものが存在します。
【BGS10とBGS10(ブラックラベル)の画像比較】

BGS鑑定では平均点と最低サブグレード の双方で算出し、最低サブグレードより 0.5 以上高くはならない のが基本。
例:10 /10 /9.5 /9.5 → 9.5
ただしブラック・ゴールド 10 の特則あり
10 × 4 → Black 10
10 /10 /10 /9.5 → Gold 10

公式の数式は未公開ですが、上記ルールで99%以上のケースが説明できるようです!
BGSのアカウント作成方法
BGS鑑定の概要について解説し終えたところで、次はアカウントの作成方法について解説できればと思います。
STEP1:BGSのページにアクセス
まずはこちらのリンクからBGSのページにアクセスしましょう。

STEP2:「Login」をクリック
画面右上に「Login」ボタンがあるので、BGSアカウントをまだ持っていない方もそちらをクリックしましょう。

STEP3:「Sign Up」をクリック
アカウントを持っていない方は「Sign Up」をクリック。

STEP4:アカウント情報を入力
アカウント情報を入力していきます。メールアドレス、ユーザー名、電話番号、パスワードを入力して、ロボットでないことの確認と利用規約・プライバシーポリシーにチェックを入れましょう。
全ての入力が完了したら「Create Account」をクリックします。

①Email…メールアドレス
②User Name…ユーザー名(文字、数字、アンダーバーのみを含むユーザー名を入力)
③Mobile Number…電話番号(+81(日本)を選択してから入力)
④Password…パスワード(少なくとも 1 つの小文字、1 つの大文字、1 つの数字、および 1 つの特殊文字を含む 6 〜 15 文字のパスワードを入力)
⑤ロボットでないことの確認を行う
⑥利用規約とプライバシポリシーにチェックを入れる
STEP5:メールボックスの確認
アカウント情報の作成が完了したら、BGSから認証コードが登録したメールアドレスに送られてきます。
送られてきた認証コードはコピーしておきましょう。

STEP6:認証コードの入力
メールに送られてきた認証コードをBGSの画面に入力(ペースト)しましょう。入力が完了したら「Verify Account」をクリックします。

STEP7:BGSアカウントの作成が完了
アカウントの作成がうまく行けば下の画像のように「アカウントがアクティブになったよ」というメールがBGSから送られてきます。


アカウントの作成はカンタンなのですぐに終わりますよ!
BGSにカードを提出する方法
続いてBGSにカードを提出する方法について分かりやすく解説していきます。
STEP1:BGSアカウントにログイン
画面右上の「Login」ボタンをクリックし、登録したメールアドレスとパスワードを入力してBGSにログインしましょう。

STEP2:「Submit」をクリック
ログインしたら「Submit(提出する)」をクリックしましょう。

STEP3:「CARDS」を選択
BGS鑑定はカード、漫画、チケットなど様々なものを鑑定することが可能です。今回はカードですので、「CARDS」を選択しましょう。

STEP4:BGSの鑑定プランを選択
BGSには鑑定プランがいくつかございます。こちらの中から自分が提出したいプランを選びましょう。

鑑定プランの詳細は以下の通りです。
プラン名 | 料金(1枚)※ | 納期(営業日) | サブグレード表示 | 特徴・備考 |
---|---|---|---|---|
Base(ベース) | 14.95ドル | 45日以上 | なし | サブグレード表示なし。 |
Base(ベース) | 17.95ドル | 45日以上 | あり | 最安プラン。納期が長め。大量提出向け。 |
Standard(スタンダード) | 34.95ドル | 20-25日 | あり | 最もバランスが良く、海外セラーに人気。 |
Express(エクスプレス) | 79.95ドル | 7-10日 | あり | 納期優先。ハイエンド商品向け。 |
Priority(プライオリティ) | 124.95ドル | 2-3日 | あり | 超速鑑定。高額カードや即売希望品向け。 |
Baseプランのみサブグレード表示なしのプランが存在します。しかし、個人的にサブグレード表示はありの方がオススメです。

どのプランで出すのがオススメですか?

PSA鑑定と違い、カードの相場によってプランを選ばなくてもよいのでキャッシュフローに困らないのであれば、Base(ベース)のサブグレード表示ありプラン(17.95ドル)が一番安くてオススメです!
ただし、高い鑑定プランの方がブラックラベル取得率が高くなる可能性もあります。こちらは検証中です!
STEP5:BGSに提出するカード情報の入力
プランが決まったら、次はBGSに提出するカードの情報を入力していきます。下の画像の赤枠の部分に提出するカード名を入力していきます。

今回は例として「ブラッキーの25周年記念のプロモカード」を入力していければと思います。英語名は以下のとおりです。

しかし実際には英語名を特定して入力するのは難しいと思います。しかし以下の画像の手順を踏めば英語名を特定することが可能です。

英語名が分かったら実際に入力していきます。途中まで入力すると下の画像のように「予測されたカード名」が出てきますので、該当するものが出てきたらそちらをクリックしましょう。

カードを選んだら次は「枚数」と「申告価格」を入力していきます。

後は同じ要領で一緒に提出するカードをどんどん追加していきましょう。

提出するカードの入力が全て完了したら、画面を一番下までスクロールし、「Continue」をクリックします。これでカード情報の入力は完了です。

STEP6:返送先情報の入力
カード情報の入力が完了したら、次は返送先情報の入力を行っていきます。下記の①~⑩まで入力していきましょう。

①First Name…名(下の名前)
②Last Name…姓(苗字)
③E-mail…メールアドレス
④Phone number…電話番号(+81からはじまり最初の0は抜く 例…+81-80-1234-5678)
⑤Country…国(Japan)
⑥Street address…番地・町名(丁目・番・号など)
⑦Apt, suite, etc, (optional)…建物名・部屋番号など(任意)
⑧City…市区町村
⑨State…都道府県
⑩Zip code…郵便番号
補足:日本では「都道府県 → 市区町村 → 町名・番地 → 建物名・部屋番号」の順で住所を書きますが、英語圏ではこれが逆になります。そのためフォーム入力時は注意が必要です。
STEP7:返送方法の選択
返送先情報の入力が完了したら、画面を下にスクロールしましょう。そうすると返送方法を選択するチェックボックスが出てきます。こちらは「International($64)」を選択してください。
選択が完了したら「Continue」をクリック。

STEP8:オーダー情報の確認
返送に関する設定が完了したら、これかでの入力事項の確認画面に移ります。こちらで鑑定にかかってくる費用などを確認したら画面を下にスクロールしましょう。

そうすると利用規約やプライバシーポリシーといったBGSの規約に関するチェックボックスがございますので、そちらにチェックを入れ、「Chackout」をクリックします。

STEP8:支払い方法の選択
次は支払い方法を入力していきます。基本的には決済方法はクレジットカードになります。カード情報を入力したら「Submit Order」をクリックしましょう。

STEP9:提出するカード情報の印刷
支払い情報の入力が完了したら、下のような画面に遷移します。こちらの画面の左下にある「Print」をクリックしてください。

「Print」をクリックすると下のような画像が表示されると思います。こちらを印刷しておきましょう。
印刷したこちらの用紙はカードと一緒にBGSに提出します。

STEP11:カードをスリーブに入れ、さらにカードセーバーにいれる
BGSにカードを提出するためには、まずはカードをソフトスリーブに入れ、さらにカードセーバーに入れる必要があります。

実際にカードをソフトスリーブとカードセーバーに入れると下の画像のようになります。

スリーブとセーバーは以下のものがオススメです!(※画像タップでAmazonのリンクに飛びます)
【ソフトスリーブ】

【カードセーバー】


こちらのスリーブは1枚あたり2.25円、カードセーバーは1枚あたり13.4円とお買い得です!
カードスリーブは硬すぎるものを選ぶと当たってカードが傷つく恐れがあるので柔らかいソフトスリーブ推奨です。また、スリーブは必ず両面透明のものを選びましょう。
STEP12:カードを正しく揃える
カードを提出する際には並び方も気をつけなければいけません。
最初に登録したカードが一番前にくるようにし、BGSに登録した順にカードを並べて提出するようにしてください。
先ほど印刷したBGSの提出用紙にカード名が記載されているので、そちらの番号順に並べればOKです。

STEP13:カードを保護する
輸送中にずれたり損傷したりしないように、すべてのアイテムを2枚の大きめの段ボールの間に(適切な順序で)挟み、輪ゴムで束を固定することをオススメします。

STEP14:すべてのカードと提出する用紙を1つの箱に詰める
内容物が移動しないように梱包材を使用して、すべてのアイテムと用紙を適切なサイズの箱に入れます。

STEP15:発送する
梱包まで完了すれば後は発送するだけです。
BGSの住所は以下の赤枠を参考にしてください。下記の住所に梱包したカードを発送しましょう。

配送先:Beckett Collectibles,LLC
国名:United States of America
住所::2700 Summit Ave. ,#100
都市名:Plano
州名:Texas
郵便番号:75074
電話番号:+1 (469)-830-3996

上記の住所にはどのようにして配送すればいいのでしょうか?

配送方法は特に指定されていません。FedEx、DHL、UPS、EMSなどがオススメです。
これまでに上記の配送方法を使ったことがないという方は以下の記事を参考にしてみてください。


BGSでブラックラベルを狙えるカードを選別する方法

BGS鑑定については分かったのですが、どのようなカードを提出すればブラックラベルが狙えるのでしょうか?

分かりました!ブラックラベルを狙うカードを選別する方法について解説しますね!
ブラックラベルを取得するのはPSA鑑定でPSA10を取得するよりも何倍も難しいです。
しかし、鑑定するうえで見られるコーナー、エッジ、サーフェス、センタリング4つの項目を満たしていれば取得することも十分に可能です。
気をつけるべきは以下の通りです。
サブグレード | 主に見られる “場所” | 判定される内容(代表例) | 10 → 9.5 → 9 の減点イメージ |
---|---|---|---|
Corners(コーナー) | 4 つの角すべて(表・裏)+裁断面 | – 白欠け・色落ち- フレア(丸み)や折れ- 裁断時のバリ | 10 完全シャープ/白点ゼロ9.5 ①角に点欠け 0.1 mm 未満9.0 2 角に摩耗 or 1 角に0.3 mm 欠け |
Edges(エッジ) | 側面 4 辺(表・裏)カード | – 白欠け・ささくれ- インクの剥離・滲み- 裁断ムラ | 10 側面全周が滑らか9.5 細線欠け 1 箇所以内9.0 0.3 mm ほどのチップ複数 |
Surface(サーフェス) | 表面&裏面の全面ホロ・箔エリア/インク層/印刷ムラ | – 凹み・スクラッチ・線キズ- 指紋・汚れ・糊残り- 印刷ドット抜け・ロールライン | 10 光沢むらゼロ/線キズ皆無9.5 ルーペで薄線 1 本判別9.0 肉眼で浅線 1–2 本 or 微細凹み |
Centering(センタリング) | 枠線からの左右上下余白(表面メイン枠・裏面ロゴ等) | – 印刷位置ズレ(左右・上下)- カットズレ | 10 表 50/50±2 pt(≒55/45 以内)、裏 60/40 以内9.5 表 55/45、裏 65/35 まで9.0 表 60/40、裏 80/20 まで |
Corners ― 最優先の「白欠け」チェック
・表より裏の白欠けに厳しい(ヘリが刷毛のように白く見えたら9以下確定)。
・光を正面から当て、角度を変えて“白い点”が反射しないか確認。
Edges ― スリーブの出し入れダメージが出やすい
・黒縁カードはチップが顕著。
・側面下辺(スリーブの開口側)に欠けが集中するので要注意。
Surface ― ライトで線キズを炙り出す
・製造時のロールライン(横筋)は 9.5 → 9 に直行。
・指紋や油膜も「表面曇り」として減点対象。提出直前にマイクロファイバーで拭き取り。
Centering ― どんな美品も 60/40 超えた瞬間 10 不可
・真っ先に見るべきはセンタリング。
・裏面は緩いが 80/20 を越えると 8.5 まで落ちることも。

上記を参考にPSA鑑定以上に慎重にカードを選別しましょう!
最後に
いかがだったでしょうか?
こちらの記事ではBGS鑑定について提出方法からブラックラベルを取得するために見るべき点まで詳しく解説させていただきました。
ブラックラベルの取得は非常に難しいですが、その分取得できた時の喜びは格別です。
ぜひ、PSA鑑定に慣れてきた方はBGS鑑定にも挑戦してみてください。
またPSA鑑定もまだやったことがないという方は下の記事をチェックしてくださいね!



