
デミニミス撤廃やDDPという言葉を見ますが、米国向けに売るとき、結局何を設定すればよいのでしょうか?

まずは自分の取引がDDP必須の対象かを確認しましょう。その後に、関税の見積もり、配送サービス、販売価格、実際の発送設定を順番に整えれば大丈夫です。
日本から米国へ発送する、送料を除く商品価格が2,500米ドル未満の対象取引は、eBayでDDP配送が必須です。対象は2025年10月17日16時(日本時間)以降の取引で、配送会社を問いません。日本のAuthenticity Guarantee対象商品は、この必須ルールの適用対象外です。出典:eBay公式:日本・韓国から米国への発送ポリシー。
この記事では、eBay輸出の初心者向けに、DDPとDDUの違い、関税・手数料の確認方法、CPaSSや日本郵便の使い方、利益を残す価格設定を解説します。情報確認日:2026年9月11日。税率や利用条件は変わるため、発送前には掲載した公式案内も確認してください。
eBay輸出の始め方や講座について、公式LINEで確認できます。
デミニミス撤廃とは?DDP・DDUとの違い
米国のデミニミスは、一定条件を満たす少額輸入品に対する免税の仕組みです。2025年8月29日から従来の800米ドル以下の免税措置が停止され、少額商品でも輸入時の税金や手続きを考える必要が生じました。2026年にも関連制度が更新されています。出典:米国GAO:少額輸入に関するCBP規則の報告。
ただし、「デミニミスが停止された=すべての商品に同じ税率がかかる」ではありません。商品分類、原産国、適用される制度などで扱いが異なります。また、800米ドルという旧免税基準と、eBayのDDP必須条件である2,500米ドル未満は別の基準です。
| 言葉 | この記事で押さえる意味 | セラーが確認すること |
|---|---|---|
| デミニミス | 少額輸入に関する免税制度 | 少額だから免税と決めつけない |
| DDP | 輸入関税・税金などを売り手側が負担して届ける条件 | 自分に請求される費用と支払方法を確認する |
| DDU | 買い手側が輸入時の関税などを負担する条件として使われる呼び方 | DDP必須の取引に選ばない |
DDPは「誰が輸入費用を負担するか」の話です。必ず発送前に全額が確定するという意味ではありません。配送サービスや契約によっては、概算を先払いした後に差額が精算されたり、運送会社から後日請求されたりします。

商品説明に「関税は購入者負担」と書けば、DDUで送ってもよいですか?

DDP必須の取引では、その説明や購入者との合意だけでDDUに変更することはできません。まずeBayの対象条件を確認しましょう。
eBayで米国向けDDPが必須になる対象条件
| 確認項目 | 米国向けの条件 |
|---|---|
| 発送元・配送先 | 日本から米国への発送 |
| 商品価格 | 送料を除き2,500米ドル未満 |
| 対象となる取引日時 | 2025年10月17日16時(日本時間)以降 |
| 配送会社 | すべての配送会社が対象 |
| 適用対象外 | 日本のAuthenticity Guarantee対象商品 |
出典:eBay公式:米国向けDDP配送ポリシー。対象かどうかは発送日だけでなく取引成立日時で確認します。一方、関税の変更では米国への輸入日時が基準となる場合があり、この2つを混同しないことが大切です。
商品価格がちょうど2,500米ドルの場合は「2,500米ドル未満」の条件には入りません。ただし、それだけでDDUを自由に使えると判断せず、配送会社の受託条件や通関手続きを確認します。Authenticity Guarantee対象商品も、専用の案内に沿って発送してください。
対象取引をDDUで送り、関税未払いによる商品未着などでeBayが介入すると、セラー評価への影響や保護の対象外となる問題が生じます。「関税を払わない購入者が悪いから必ず保護される」という考え方は見直しましょう。具体的な扱いはeBay JapanのDDP案内で確認できます。
DDP発送の準備は5ステップで進める
1.配送先・商品価格・対象制度を確認する
注文詳細で配送先と商品価格を確認します。米国向けのルールを、そのまま全世界に当てはめないようにしましょう。商品を出品する段階でも、販売したい国と利用できる配送サービスを先に決めると、価格や送料の設定をやり直す手間を減らせます。
2.原産国と商品分類を調べる
日本から発送する商品が、すべて日本原産になるわけではありません。製品の表示やメーカーの情報などから原産国を確認し、品名・素材・用途などを整理します。税率の確認には米国のHTS分類が関係するため、米国国際貿易委員会のHTS検索や配送会社の案内を利用してください。
HSコードを調べる入口はHSコードの調べ方の記事で解説しています。AIは商品情報の整理や英訳に使えますが、出力されたコードや税率をそのまま確定情報にせず、公式情報と配送会社で確認しましょう。
3.配送サービスと費用の見積もりを確認する
梱包後の重さ・サイズ・配送先・商品情報をそろえて見積もります。送料だけで比べず、関税、通関や立替の手数料、追加料金まで含めて比較します。見積もりに何が含まれ、何が後日精算なのかもメモしておくと、請求との照合がしやすくなります。
4.eBayの配送設定と商品説明をそろえる
出品の配送サービス名、送料、発送日数を、実際に使うサービスに合わせます。配送ポリシーでSpeedPAKを選ぶことと、配送ラベルをDDPで作成することは別の作業です。CPaSSでの設定確認はCPaSSの登録・基本操作の記事も参考にしてください。

eBayの「輸入費用込み」の案内表示と、実際の関税支払設定は分けて確認します。画面に表示されているから配送会社へ自動で指示が伝わった、とは考えないでください。出典:eBay Japan:DDPに関する表示と設定の案内。
5.ラベル・インボイス・請求履歴を照合する
ラベルを確定する前に、配送先、商品説明、数量、原産国、申告価格、関税の支払人を確認します。発送後は追跡番号を登録し、見積書・インボイス・最終請求を注文ごとに保存しましょう。税金を安くするための過少申告や、販売品をGiftと申告することは避けてください。
米国向けの関税率とDDP手数料はどう調べる?

日本製の商品なら、関税は一律15%で計算しておけばよいですか?

以前の数字をそのまま使うのは避けましょう。税率は変更されますし、原産国と商品分類によっても違います。見積もりを取った日付と条件も残しておくと安心です。
2026年7月24日更新のeBay Japanの案内では、対象となる日本原産品などについて、通常の税率(MFN)が12.5%未満の場合は合計が12.5%になるよう追加関税を調整し、12.5%以上の場合は今回の追加分をゼロとする説明があります。除外品目などの条件があるため、「日本製は全部12.5%」という意味ではありません。出典:eBay Japan:米国関税に関する最新案内。
この変更については米国政府のSection 301に関する発表にも条件が記載されています。実際の見積もりでは、対象商品の分類と適用時点を配送会社へ伝え、請求される税金・手数料を確認しましょう。
| 費用 | 確認するポイント |
|---|---|
| 輸入関税・税金 | 原産国、商品分類、適用日、除外条件 |
| 通関・立替などの手数料 | 定額か割合か、最低料金があるか |
| 国際送料・追加料金 | 梱包後の重量・寸法、配送地域、燃油など |
| eBay・決済関連費用 | カテゴリーや契約、為替、広告利用などの条件 |
税率と手数料率を単純に足して「商品代の18%」などと決めると、計算の基準額や最低料金の違いを見落とします。各費用を実際の金額に直してから合計すると、少額商品でも利益を確認しやすくなります。
CPaSS・DHL・日本郵便で発送するときの注意点
CPaSS/SpeedPAK:関税の精算方法まで確認する
CPaSSはeBay輸出の配送管理に使うツールです。SpeedPAKのサービスごとに、利用可能な配送先、サイズ、料金、関税の精算方法を確認します。「CPaSSを使うから費用も保護も必ず同じ」とは考えず、自分が選んだサービスの条件を見ましょう。
Orange Connexは2026年1月、SpeedPAK Ship via FedExについて、関税・税金の精算方法の追加を案内しています。Orange Connex経由での精算に加え、条件を満たす自分のFedExアカウントで直接精算する選択肢があります。送料と関税の請求元が分かれる場合があるため、両方の請求を照合してください。出典:Orange Connex:FedEx利用時の関税・税金精算機能。
公式案内では「運送会社設定」の「米国徴収関税」で精算先を選択します。変更は今後の注文に適用されるため、既存の注文まで切り替わったと判断しないでください。どちらが安いかは手数料や契約条件で異なります。設定画面と詳細は上記の公式案内で確認できます。
DHLなどを直接使う場合:送料と関税の支払人は別に確認
配送会社と直接契約して発送するときも、DDP対象なら関税・税金を送付人側の負担にする設定を確認します。DHLのMyDHL+では、送料の支払情報とは別に関税・税金の支払人を指定する案内があります。出典:DHL公式:MyDHL+で発送準備をする方法。
「送料を自分のアカウントで払っているから関税も自分払い」と思い込まないことがポイントです。ラベルを作成するたびに確認し、分からない項目は契約先へ問い合わせてください。
日本郵便:条件付きで米国向け販売品の引き受けを再開
「米国向けの商品は日本郵便で一切送れない」という以前の情報は、そのまま使えません。日本郵便は2026年4月14日から指定郵便局で引き受けを再開し、7月24日以降は内容品価格2,500米ドル以下の対象郵便物について、認定事業者の専用アプリによる関税事前払い・ラベル作成の案内をしています。出典:日本郵便:米国宛て郵便物の引受条件の変更。
通常の国際郵便マイページで従来どおりラベルを作ればよい、と考えず、専用アプリ、指定郵便局、内容品の条件を確認してください。ここでの「2,500米ドル以下」は日本郵便の手続き上の基準で、eBayの「商品価格2,500米ドル未満」とは別です。日本側の輸出申告が必要になる価格条件にも注意しましょう。
DDP費用を含めて利益を残す価格設定
価格は「以前より何%上げるか」ではなく、費用を差し引いた後にいくら残るかで考えます。以下は計算方法を示す仮の例で、現在の関税率・eBay手数料率や特定商品の見積もりではありません。
| 項目 | 仮の金額 |
|---|---|
| 商品代+購入者から受け取る送料 | 18,000円 |
| 仕入れ代 | −9,000円 |
| 国際送料 | −2,500円 |
| 関税・通関関連費用の見積もり | −1,800円 |
| eBay・決済・為替・広告関連費用の見積もり合計 | −2,700円 |
| 梱包費 | −200円 |
| この例の利益 | 1,800円 |
この例では、後日精算で関税関連費用が500円増えると、利益は1,300円になります。最初は見積もりと請求の差を記録し、同じ種類の商品を出すときの計算に反映しましょう。eBayが購入者から徴収する税金を、自分の売上として足さないことも大切です。

関税分は商品価格と送料のどちらに入れればよいですか?

販売先や送料の設定方法で変わります。商品価格に含めると他国向けの価格にも影響する場合がありますし、送料側にはカテゴリーなどの制限があります。購入者が見る合計額と、実際に残る利益の両方で比べましょう。
送料へ反映する場合はeBayの送料上限に関する案内を確認します。関税分を別の商品として追加購入させたり、eBay外で払ってもらったりする方法にはしないでください。販売価格の調整と、税関への正しい価格申告も分けて考えます。
米国向けDDP発送の商品説明に使える英文例
次の文例は、実際に米国向けをDDPで発送し、記載した費用を価格に含める場合に使えます。Authenticity Guaranteeなど別の手続きが適用される商品には、そのまま流用しないでください。
For shipments to the United States, we ship using DDP (Delivered Duty Paid). Applicable import duties and customs clearance charges are included in the item price and/or shipping charge. If you receive a request to pay import charges for this shipment, please contact us through eBay so we can check with the carrier.
日本語の意味:米国向けはDDPで発送します。該当する輸入関税と通関費用は商品価格または送料に含まれます。この荷物について輸入費用の支払請求を受けた場合は、配送会社へ確認するためeBay上でご連絡ください。
英文を追加したら、古い「関税はすべて購入者負担」という文面と矛盾していないか確認します。米国向けの説明を、他国向けの条件と区別して記載しましょう。配送会社から実際に請求が来た場合は、請求内容と支払設定を照合します。
2026年10月1日からのEU向けDDP要件も確認
米国以外も販売する方は、EU向けの変更も確認しておきましょう。eBay Japanは、日本からEU27か国へ発送する、送料を除く商品価格150ユーロ以下の取引について、2026年10月1日16時(日本時間)からDDP必須と案内しています。出典:eBay Japan:EU向けDDP要件。
米国は「2,500米ドル未満」、EUの案内は「150ユーロ以下」です。金額や開始日時を同じにしないようにしましょう。英国はEU27か国には含まれません。また、配送サービス側で先にDDPを求める場合があるため、10月1日まではどの方法でもDDUでよい、という意味でもありません。
eBayのデミニミス・DDP対応でよくある質問
少額商品や中古品なら関税はかかりませんか?
少額・中古という理由だけで免税とは判断できません。原産国と商品分類、現在の適用条件を確認してください。仕入れ額の低さだけでなく、正しい申告内容に基づいて見積もります。
DDPなら遅延や商品未着を防げますか?
関税の支払い方法を整えても、通関確認や配送の遅れは起こり得ます。追跡が止まった場合は配送会社へ確認し、ケースが開いたら商品未着(INR)の対応手順に沿って期限内に対応しましょう。
返品されたら関税も自動で戻りますか?
eBay上の返金と、輸入時の税金・配送会社の手数料の返還は別です。自動で全額戻るとも、一切戻らないとも決めつけず、利用サービスと手続きの条件を確認してください。売上返金の操作はeBayの返金手順で解説しています。
発送前にDDP費用が予想より高いと分かったら?
まず見積もりの原産国・品目・サイズ・支払設定に誤りがないか確認します。対象取引を一方的にDDUへ変えて送ることは避けましょう。継続して採算が合わない商品は、今後の販売価格や配送先、仕入れ条件を見直します。
対象条件・費用・発送設定を一組で確認しよう
出品・発送の前に、①配送先と価格の対象条件、②原産国と商品分類、③送料・税金・手数料の合計、④配送ラベルの関税支払人、⑤商品説明との一致、の5点を確認しましょう。発送後は最終請求まで照合すると、次の価格設定にも役立ちます。

DDPという言葉だけでなく、実際の支払設定と利益まで確認するのですね。

そのとおりです。まずは扱う商品と配送先を絞って、見積もりから発送まで一通り確認してみましょう。条件が変わったときも、どこを直せばよいか分かりやすくなりますよ!
次に設定を進める方はCPaSSの基本操作、商品分類を調べる方はHSコードの調べ方を確認してください。eBay輸出の実践情報や講座の案内はシュンの公式LINEでお届けしています。


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