
バイヤーさんにリターンリクエストを開かれてしまいました。はじめてでどのように対応すればいいのか分かりません。教えて下さい。

分かりました!この記事で詳しく解説させていただきます!
eBayで商品を販売していると、時には「商品を返品したい」ということでリターンリクエスト(返品リクエスト)を開かれてしまうことがあります。僕もはじめてリターンリクエストを開かれた時はあせってしまいましたが、きちんと対応すれば損失を最小限に抑えることができますので、こちらの記事を参考に対応していただければと思います。
【この記事をオススメしたい人】
・リターンリクエストの対応方法を知りたい
・現在進行系でリターンリクエストを開かれてあせっている
・リターンリクエストの損失をできるだけ抑えたい
リターンリクエストとは?
eBayの「リターンリクエスト(Return Request)」とは、購入者が商品に満足しなかった場合や、商品に問題があった場合に、出品者に対して返品を依頼するプロセスのことです。以下に詳しく説明します
バイヤーさんがリターンリクエストをする主な理由
バイヤーさんがリターンリクエストを開く理由は以下のような理由が挙げられます。
- 商品が説明と違った(例:色やサイズが異なる)
- 商品が壊れていた、または動作しなかった
- 間違った商品が届いた
- シンプルに気に入らなかった(出品者が「返品可」の場合)

リターンリクエストを開かれたら期限内に迅速に対応する必要があります。
リターンリクエストの種類について
そもそもリターンリクエストには大き分けて、バイヤー都合のリターンリクエストとセラー都合のリターンリクエストがございますので、それぞれ解説します。
バイヤー都合のリターンリクエスト
eBayの「バイヤー都合のリターンリクエスト(buyer’s remorse return)」とは、購入者側の理由で商品を返品したいというリクエストのことです。つまり、商品に不具合があったり、説明と異なっていたのではなく、購入者が気が変わった、不要になったなどの理由による返品です。
理由としては以下のものが挙げられます。
- Doesn’t fit…合わなかった
- Changed my mind…気が変わった
- Found a better price…もっといい値段を見つけた
- Just didn’t like it…気に入らなかった
- Ordered by mistake…間違えて注文してしまった
このようなバイヤー都合のリターンリクエストを開かれてしまった場合は、セラーが設定しているリターンポリシーに従って対応する必要があります。
✔返品不可に設定している場合
バイヤーさんの返品を拒否することが可能です。
✔返送料バイヤー負担の場合
バイヤーさんが返送料を負担します。この時、追跡番号を共有してもらえるようにメッセージで連絡しておきましょう。
✔返送料セラー負担の場合(フリーリターン)
セラーが返送ラベルを作成し、返送料を負担します。
リターンポリシーについて再確認したい方は下の記事を参考にしてください。

セラー都合のリターンリクエスト
eBayの「セラー都合のリターンリクエスト(seller fault return)」とは、商品や取引に何らかの問題があり、それが「出品者の責任(セラー都合)」であると購入者が判断して返品をリクエストすることを指します。
理由としては以下のものが挙げられます。
- Doesn’t work or defective…動作しない、または不良品
- Doesn’t match description or photos…説明や写真と一致しない
- Wrong item sent…間違った商品が送られてきた
- Missing parts or pieces…部品やパーツが欠けている
- Arrived damaged…破損した状態で届いた
- Doesn’t seem authentic…本物とは思えない
このようなセラー都合のリターンリクエストを開かれてしまった場合は、リターンポリシーに関わらずセラーが返送料を負担して返品対応する必要があります。

バイヤーさんの中にはeBayの仕組みを知り尽くしており、バイヤー都合のリターンなのに、わざとセラー都合のリターンにして自分の損失を減らすような方もいらっしゃいます。
リターンリクエストの確認方法について
商品未着のケースが開かれた場合、ケース内容をメールとSeller Hubで確認することが可能です。

リターンリクエストを起こされると以下のようなメールが届きます。

また、Seller Hubからも現在進行中のクレームの確認をすることが可能です。

リターンリクエストの対処方法について
バイヤー都合のリターンリクエストとセラー都合のリターンリクエストに解説させていただきましたが、場合によっては返品しなくても解決できたり、損失をカバーすることができたりします。
ですので、こちらでリターンリクエストの対処方法について解説させていただきます。
そもそもリターンリクエストを開かれた場合、セラーに与えられる選択肢は以下の通りです。


それぞれの選択肢について深堀りして解説させていただきます。
Accept the return(返品受け入れ)
リターンリクエストを素直に受け入れる場合はこちらを選択します。基本的な流れは以下のようになります。
商品が壊れたりして戻ってきてしまった場合、フリーリターン(セラーが返送料負担)に設定している方は、eBayからお金が補填されます。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

Give a full refund(全額返金)
全額返金してしまってリターンリクエストを終了してしまうという方法もあります。この方法を使うと、セラーは商品もお金も失ってしまいます。
ただし、商品代金が30ドル以内といった安い場合で、後述する一部返金も断られてしまった場合は、全額返金を検討する場合がございます。

返送料金は輸出する時よりも金額が高くなる場合がほとんどです。ですので、返送費を考えると全額返金したほうが損失が少ない場合もあります。
Offer a partial refund(一部返金)
リターンリクエストを開かれてしまった場合、セラーは一度だけ一部返金のオファーを送ることができます。
例えばですが、1000ドルの商品でリターンリクエストを開かれてしまった場合、「80ドル返金するからリターンリクエストを終わらせてください。」というような形でオファーを送ることが可能です。

ただし、一度しか一部返金のオファーを送ることはできませんので、後述するメッセージ機能で一部返金について話し合ってからオファーを送るようにしてください。
Send the buyer a message(メッセージ)
リターンリクエストが開かれた場合でもセラーはバイヤーさんにメッセージを送ることができます。一部返金の打診や妥協案のなどの模索などをこちらで行い、損失が少しでも減るように尽力しましょう。
一部返金の打診メールの例文を以下に載せておきます。
【日本語訳】
こんにちは。
ご連絡いただきありがとうございます。商品がご期待に添えなかったとのことで、大変申し訳なく思っております。
私は常に、購入者の皆さまにご満足いただけるよう心を込めて対応しておりますので、今回もできる限りご納得いただける解決策を見つけたいと考えております。
返品のご負担をかけずにスムーズに解決できるよう、一部返金 [$XX] をご提案させていただければと思います。商品はそのままお手元にお持ちください。
もしこの対応にご納得いただけましたら、ご返信をいただけますと幸いです。ご理解とご協力に心より感謝申し上げます。
【英語訳】
Hello,
Thank you very much for your message. I’m truly sorry to hear that the item did not meet your expectations.
I always do my best to ensure every buyer is happy with their purchase, so it’s very important to me that we find a resolution you’re satisfied with.
To save you the time and effort of returning the item, I would like to kindly offer you a partial refund of [$XX] as a gesture of goodwill. You are welcome to keep the item, of course.
If this solution feels fair to you, please let me know. I truly appreciate your understanding, and I hope we can resolve this in a way that leaves you feeling valued and respected as a customer.
Warm regards,
[Your Name / Store Name]

リターンリクエストの対応方法について話しましたが、最後に自分がリターンリクエストを開かれてしまった時の大方の流れをまとめましたので参考にしていただければと思います。
(※商材の金額や特性によっても異なりますので、あくまで参考程度にしてください)
一部返金をメッセージで打診、バイヤーさんが許可してくれたら、Offer a partial refund(一部返金)で解決。一部返金で納得してくれなかった、STEP.2に進む。
商品金額が30ドル以内といった安い場合は、Give a full refund(全額返金)で解決。商品金額が安くない場合は、Accept the return(返品受け入れ)をする。→STEP.3へ進む。
Zipxかクーリエの返送用ラベルを作成。ただし、Zipxでラベルを作成する場合、フリーリターンが受けられなくなるので注意。→STEP.4
クーリエなどで返送用ラベルを作成した場合は、フリーリターンを使用することが可能。使えるのであれば使って損失を抑えておくべき。
リターンリクエストにおける注意点
リターンリクエストおいて注意点がいくつかございますので、それぞれ詳しく解説していきます。
Item not as described returns(「商品が説明と異なる」ための返品)が高くなるとサービスメトリクスが悪化
バイヤーさんにセラー都合のリターンリクエストを開かれるとサービスメトリクスが悪くなってしまいます。具体的には罰則として5%の追加料金が課されてしまいます。

eBayセラーにとってかなり痛手のペナルティですので注意してください。
サービスメトリクスについて確認したい方は以下の記事を参考にしてください。

エスカレーション
3営業日が経過しても当事者間で解決できなかった場合、バイヤーからeBayに介入が求められる可能性があります。(エスカレーション)
eBayが介入した結果バイヤー有利の判断となると、セラーパフォーマンス評価(セラーレベル)に悪影響が生じるDefect(ディフェクト)および未解決ケース(case without seller resolution)のカウントが行われますので、当事者間で解決できるよう努めましょう。
詳しくは下の記事が参考になります。


しっかり対応しないとビロースタンダードになってしまう可能性がございますので注意してください。
最後に
いかがだったでしょうか?こちらの記事ではリターンリクエストについて色々と解説させていただきました。「返品したい」と言われてしまうとあせってしまう気持ちも分かりますが、冷静に対処することで損失を極力減らすことが可能です。

あせらずに1つ1つポイントを抑えたうえで対処しましょう!