
2025年の8月29日からデミニミス・ルールが撤廃されると聞きました…
そもそもデミニミス・ルールってなんですか? またどのように対応すればいいですか?
教えて下さい!

分かりました!この記事では現時点での対応方法についてお話しできればと思います!
2025年に再び大統領に就任したアメリカのトランプ大統領の政策判断で、2025年の8月29日からデミニミス・ルールが前倒しで廃止されました。
その結果、eBay輸出セラーをはじめとした輸出業者は配送や運営方法を見直す必要性が出てきました。
今後も目まぐるしい変更が行われることは予測されますが、この記事では「デミニミス・ルールとは何か?」というところから「現時点でのeBayセラーのとるべき対応方法」について解説していければと思います。
【この記事をオススメしたい人】
・デミニミス・ルールについて知らない
・デミニミス・ルール撤廃後の対応方法が分からない
・DDPやDDUについて知りたい
デミニミス・ルールとは?
デミニミス・ルール(de minimis rule)とは「定額・ごく少量だから手続き簡略でいいよ」という、貿易における救済措置です。
具体的にはアメリカ向けでは、輸入申告額が800ドル以下の小口貨物に対して、関税・通関手続きの免除を求める制度でした。

つまり、デミニミス・ルールが撤廃されるということは800ドル以下の商品に関しても、バイヤーさんに関税がかかってしまうということでしょうか?

おっしゃる通りです!基本的に「関税はバイヤーさんが負担するので、セラーには影響が出ない」と考えてしまうかもしれませんが、セラーにもかなり影響が出てきます…
その理由について、これから解説させていただきます。
デミニミス・ルール撤廃がeBayセラーに与える影響
デミニミス・ルールの撤廃がセラーに与える影響は以下のとおりです。
・国際郵便ネットワークで混乱・一部停止
・DDUでの配送時、配達前にバイヤーが関税を支払う必要アリ。その結果、未払‐受取拒否・返送増のリスク増
・DDUでの配送時、トラブルが起こらないように前もって関税に関してバイヤーに対して周知する必要アリ
・DDPでの配送時、関税に関する費用をセラー側が負担する必要があるため、商品価格を高くする必要(DDPを考慮した価格設定をする必要)があり、売れにくくなるリスク増
・DDUでもDDPでもeBayの商品価格やシッピングポリシーを変更する必要アリ

eBayセラーももろに影響を受けるんですね…
ちなみになのですがDDPとDDUってなんですか?

そうですね!ではDDPとDDUについても解説させていただきます!
DDP/DDUとは?
それではDDPとDDUについて解説させていただきます。DDPとDDUは関税の処理方法なのですがそれぞれ分けて説明していきます。
DDPとは?
セラーが発送段階で関税・輸入税を支払う方式です。
→ バイヤーは受け取り時に追加費用を支払う必要がなく、スムーズに商品を受け取れます。
DDUとは?
バイヤーが商品受け取り時に関税・輸入税を支払う方式です。
→ セラーは商品代金+送料のみを受け取り、税金はバイヤーが支払いをします。

全然知らなかったんですが、僕はこれまでDDUで送ってたんですね!ただ、これからはDDPも視野に入れないといけないということでしょうか?

おっしゃる通りです!DDPにすることでセラーの関税リスクを最小限に抑えることができますが、ただしその分、想定関税などを商品価格に内包するなどの対応を迫られますのでデメリットももちろん大きいです…
デミニミス・ルールの撤廃でeBayセラーがとるべき対応
先程もお伝えさせていただきましたが、デミニミス・ルールの撤廃はセラー側にも大きな影響を与えます。まだ確定していないことも多いのでお伝えするのが難しいのですが、僕が個人的に思う現時点でのベターだと思われる対応方法について解説させていただければと思います。
ただし、最終的には個人の判断によって変わってきますので、そちらの方はご了承いただければと思います。
パターンは2通りございますので、どちらのメリット、デメリットも考えていただいた上で判断してください。
DDUでの配送を選択するパターン(関税バイヤー負担)
1つ目は従来通りDDUでの配送を選択するパターンです。こちらのパターンを選択した場合、DDPに適応したCPaSSを配送方法として利用することはできなくなります。
(※1 ただし、2500ドルを超える商品に関しては、CPaSSのeBay SpeedPAK-Ship via DHL及び、FedExを利用することが可能です。)


ですので、基本的な発送方法は、FedEx、DHL、UPS、eLogiになってくると思われます。
(※2 国際郵便は現在、混乱が予想され、なおかつ関税に関して定額課税方式がとられてしまった場合、1品につき80ドルという金額を徴収されてしまう可能性があるため、使わないほうがいいと思います。)
国際郵便は、以下のいずれかの方法により関税を徴収し、米国CBPに納付します。
・方法①郵便物の原産国・価値に適用される関税率に基づく従価税方式(例:相互関税)
・方法②定額課税方式
郵便物の原産国に課される相互関税率等に応じて、以下のように1点ごとに定額で関税を課税
関税率16%未満(例:日本15%):1品につき $80
ただしクーリエで送る場合、バイヤーが関税未払いだった際に、そのツケ(支払い)がセラーに回ってきます。
デミニミス・ルールの撤廃により、一層、バイヤーの関税未払いの頻度が増えることが予想でき、さらに税関で商品が滞留する可能性もございます。

そのデメリットを考えつつ販売していけということですね…

おっしゃる通りです!
また、国際郵便の先行きが不透明ですので、DDUを選択した場合でも、配送方法はFedExやDHLのようなクーリエを利用するのが無難です。
ただ、アメリカ以外の他の国は国際郵便で送れてしまうので、クーリエの価格を出品している商品価格に内包すると、他の国でも商品価格が高くなってしまい、他の国の販売機会の喪失につながってしまいます。
ですので、国際郵便で送っている商品は、アメリカだけシッピングポリシーで商品の価格ではなく、送料を追加で+20ドルほど徴収するというような変更をするのがオススメです。
(国際郵便を使わずに普段クーリエで配送している商品はそのままの設定で問題ないです。)

たしかに… アメリカで出品している商品が100ドルだったとして、オーストラリアでは90ドルで販売するというような設定はeBayではできないですもんね…

おっしゃる通りです!
上記の方法をとられる方が多いと思うのですが、関税未払いリスクはかなり増えると思いますので、より一層、事前にバイヤーさんに関税見積額を知らせるなどといった対応が必要になってきます。
また、DDPで対応するセラーも一定数いらっしゃると思います。DDPを選んだセラーは商品の金額がDDUを選んだセラーよりも高くなるはずです。(DDPを選んだセラーは想定関税を商品価格もしくは送料に内包する必要があるため)
ですので、DDUを選んだセラーもある程度値上げをしてもいいと思います。利益率を高めに設定しておき、多少は起きてしまう関税未払いにおける損失をカバーできるようにしておきましょう。
DDPでの配送を選択するパターン(関税セラー負担)
2つ目はDDPを利用するパターンです。
こちらの方法を利用すればCPaSSを利用することはできますが、当然ながら関税分を商品価格もしくは送料に内包する必要が出てくるため、販売価格を高く設定しなければいけません。
また、関税は取り扱っているカテゴリによっても変わってきますし、価格によっても変わってくるのでシッピングポリシーの作成がかなり複雑化します。
ただ、関税の未払いリスクなどはなくなり健全な運営ができるようになります。

雑多アカウントなんかはかなり面倒ですよね…

おっしゃる通りです!
ただ他にもメリットはあるみたいですね!
確かにデメリットは大きいのですが例えばCPaSSでDDPを採用した際には下記の画像のように「この商品には関税の金額が内包されています」というように表示されるみたいです。
これはDDUを採用している方と比べて有利ですし、アメリカのバイヤーさんは遅かれ早かれ「関税」に関するリテラシーが今よりも高くなってきますので、DDUを選んでいるセラーよりは逆に親切感が伝わるとは思います。

そして次はDDPを採用する場合、シッピングポリシーや販売価格の設定においてどのようなことに注意していけばよいのかこれから解説していきます。
DDPを選択した場合、配送会社によって手数料がかかります。現時点でかかると言われている手数料は以下の通りです。
- DHL:1件あたり3,300円 or 関税等の2%(高い方)
- UPS:1件あたり2,700円 or 関税等の2%(最低14USD)
- FedEx:近日発表予定
- CPaSS:以下のTweetが参考になります

おおよそ25ドルくらいはかかりますので、その分を販売価格もしくは送料に内包する必要があります。
ここからがかなり厄介です。関税は商品カテゴリや金額によっても変わってきますので、自分で調べた上で判断する必要があります。
以下にかかってくる関税を含めた商品を販売する時にかかってくる費用をまとめましたので参考にしてみてください。
【DDPで運営する際にかかってくる手数料】
・関税:こちらは取り扱うカテゴリなどによって変わってきますが15%のものが多いです。
・落札手数料:こちらも扱うカテゴリによって変わってきますが約13%のものが多いです。
・海外決済手数料:1.35%(売上に応じて多少は変動)
・為替手数料:2.00%(売上に応じて多少は変動)
・Promoted Listings費用:2%~
さらに先程、お伝えさせていただいたDDP手数料(簡略化すると約25ドル)が手数料としてかかってきます。
さらにこの金額から、商品の原価や配送料、梱包資材などの諸経費を引いたのが手残りの利益になります。

面倒ではありますが、DDPを利用される方は上記を踏まえた上でDDP用の利益計算表を作成しましょう。
数字が苦手な方はChatGPTなどに打ち込んでスプレッドシートの式を教えてもらうなどするのがオススメです。
eBayに徴収される手数料は関税分を含めた商品価格に対してもかかってきます。ですので、関税分だけ値上げをするといった方法をとると知らないうちに赤字になってしまうといった事態も起こり得るので注意しましょう。
そしてDDUでも説明させていただいた通り、単純に商品価格を高くしてしまいますと他の国や地域で販売する金額も高くなり、悪い影響(価格的に不利になる)が出てきてしまいます。
ですので、関税による値上げ分を商品価格ではなく、送料に内包するのがオススメです。

実際に具体的な数値を入力してDDUとDDPとで手残りする利益を計算すると、DDPの方がかなり手残りが少なくなってしまうことが分かると思います…

eBayのパワーセラーの方も、全ての商品価格を20%値上げするとおっしゃっていましたね…
デミニミス・ルール撤廃でライバルセラーを出し抜く案は?
個人的には、アメリカに知人がいたり倉庫を持っている方は、低単価商品や小さな商品など(例えばトレカ系など)をまとめてアメリカに発送し、アメリカの配送サービス(USPS)を利用するという手法を使えば、価格的に優位に立てるのではないかと考えております。
アメリカに知人がいたり、クラウドワークスで外注するなど方法は色々あると思いますので、ピンチをチャンスに変えて頑張っていきたいですね!
現時点での疑問点
現時点ではいくつか疑問点があるので、僕が思う疑問点を挙げていきます。
- DDPを採用する場合に、関税価格を商品価格に内包するとさらに関税がかかってくるといったジレンマが起きてしまいます。例えばですが、100ドルの商品に対して15ドル関税分を内包すると115ドルで販売することになると思いますが、その115ドルに対してさらに関税がかかると言う認識であってますか?
- 前もって支払っている(商品価格に内包するなどしている)のでおそらく二重課税にはならない
- DDPを採用する場合に、関税分を商品価格に内包するとなるとアメリカ以外の国もeBayのシステム上、価格が高くなってしまうと思うので、関税分を商品価格ではなく送料に内包しようと思うのですが、それはeBayの規約上問題ないのか?
- おそらく問題はないが、カテゴリによってプラスできる送料に制限がある?らしい
- DDPを採用する場合に、商品が返品された場合、セラーが前もって払った関税はどうなるのか?(関税は商品価格に内包)
- こちらはまだ分からない
最後に
いかがだったでしょうか?こちらの記事では、デミニミス・ルールやDDP、DDUについて解説させていただきました。
今回の変更はコロナ禍以来のセラーにとっての危機かもしれませんが、落ち着いて変更があるごとにピボット(軌道修正)していけば乗り越えられます。
大変かもしれませんがお互いに頑張っていきましょう!
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました!
ただ、「ブログを見たけれど独学じゃ不安…」というような方に向けて僕が運営しているeBay輸出の講座を紹介できればと思います。

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