
発送しようとしたら「インボイス」が必要と言われました。何を書けばいいんですか?

難しく見えますが、最初は「誰から誰へ・何を・何個・いくらで送るか」を整理すれば大丈夫です。eBayの注文情報と現物を見ながら、記入例で確認していきましょう。
この記事は、eBayで販売した商品を海外へ送るときのコマーシャルインボイス(Commercial Invoice)の書き方を扱います。日本の適格請求書制度や、eBayの「Send Invoice」とは別の話です。
最初の一歩
注文詳細、商品の現物、梱包後の重さ・サイズを用意してください。CPaSSやeLogiで書類が作られる場合も、元になる入力内容の確認は必要です。
2026年9月23日確認。画像は公式資料の引用と、個人情報を含まない既存の画面例です。金額・商品は説明用の仮例です。
インボイスは何のため?送り状との違いを知ろう
送り状・配送ラベル
配送先、発送元、追跡番号などを示す。荷物をどこへ届けるかの情報。
コマーシャルインボイス
商品と取引内容を説明する通関書類。品名、数量、価額、原産国などを示す。
eBayのSend Invoice
購入者へ代金や送料を案内する機能。通関用インボイスの代わりではない。

eBayの売上画面を印刷するだけではダメですか?

注文情報は照合に使います。ただ、原産国や詳しい品名などが不足することがあります。利用する発送サービスの入力欄から必要事項を入れ、作成された通関書類を確認しましょう。
クーリエ便ではインボイスを使います。郵便ではCN22・CN23等の税関告知書を使う場合もあり、必要書類は発送方法・商品・国で異なります。まず便を決めたい方はエアパケット・CPaSS・eLogiの比較へ。

出典:DHL:コマーシャルインボイスの役割と記載項目(2026年9月23日確認)
上は書類全体の配置を見るためのDHL公式サンプルです。住所や番号を流用するものではありません。ここからは、実際に入力する項目を小分けにして見ていきます。
STEP1|注文情報と現物から、入力材料をそろえる
- 注文詳細を開く
発送可能な支払い状態かを確認。購入者名、注文上の配送先、商品代金、送料、通貨を照合します。メッセージで届いた別住所へ独断で変更しません。 - 商品を手元で確認する
種類・型番・材質・用途・数量・製造国表示を確認。商品ページの英語タイトルを丸ごと貼るのではなく、通関向けの品名に整理します。 - 梱包を完成させて測る
個数、品目の正味重量、箱や緩衝材込みの総重量を区別します。ラベルとインボイスで数量・重量が食い違わないようにします。
基本の発送手順はeBayで売れた後の流れで確認できます。
発送人・受取人・輸入者は、同じ人とは限らない
Shipper / Sender(発送人)
自分の氏名・事業名、住所、電話等を英字で記入。ストアの表示名だけで済ませない。
Consignee / Receiver(受取人)
注文上の配送先と一致させる。郵便番号、部屋番号、国番号付き電話も確認。
Importer(輸入者)
受取人と異なる場合は、発送画面・取引条件に沿って別に記入。会社の税番号等を推測で作らない。
STEP2|品名は「何に使う何か」が分かる英語にする

商品名は「Camera」や「Toy」だけでも通じませんか?

ざっくりしすぎると、分類や確認で止まる原因になります。商品の種類・用途・材質・型番・新品中古のうち、その商品を識別する情報を足しましょう。
中古レンズの記入例
Used interchangeable camera lens, 50mm F1.8, for digital camera, no battery
交換式の中古カメラレンズ。焦点距離と用途まで示す。
フィギュアの記入例
PVC collectible figure, for display, no battery
PVC製の観賞用フィギュア。材質が実物と一致する場合だけ使う。
衣類の記入例
Used men’s knitted sweater, 100% wool
中古の男性用ニット、ウール100%。品質表示の混率を確認する。
トレカの記入例
Printed paper trading cards for collectible card game, 10 pieces
紙製カード10枚の例。鑑定ケース付き、セット販売などは実際の構成を補足。
上は書き方の例です。電池入りの商品を「no battery」にしたり、分からない材質を推測で書いたりしないでください。英語に迷ったら日本語で正確な特徴を整理し、翻訳後に型番・数字・否定表現を照合します。
出典:FedEx:コマーシャルインボイス作成方法(2026年9月23日確認)
出品タイトルとは目的が違う
「Rare」「Mint」「Fast Shipping」といった販売用の表現より、税関が中身を識別できる情報を優先。入力欄に収まっても、出力された書類で品名が途中で切れていないか確認してください。
STEP3|原産国とHSコードを現物に合わせる

日本の店で買って、日本から送るなら原産国はJapanですよね?

そこは違います。日本から発送することと、日本で製造されたことは別です。たとえば中国製の商品を日本で仕入れても、それだけで原産国が日本にはなりません。
最初に見るもの
本体のMade in表示、タグ、製品ラベル、メーカー資料。中古品は箱の入れ替わりにも注意。
分からないとき
型番・製造時期を整理し、メーカー資料や仕入れ先の根拠を確認。不明なままJapanを選ばない。
HS / HTS code
品目分類のコード。商品の機能・材質・用途で確認し、送り先で必要な桁数まで合わせる。
複数の国で作られた製品などは、表示だけで原産地の判定が完結しないこともあります。特恵関税の原産地証明と、単に「Made in Japan」と書くことも同じではありません。
コードはHSコードの調べ方へ。AIや配送ツールの候補を、そのまま確定値だと考えないでください。
CPaSSで入力する場合は、この並びを照合する

画像の商品行の下段に「告知のための商品名(英語)」「数量」「(申告)単価」「単位重量」「原産国」「HSコード」が並んでいます。1点ごとに左から照合します。赤枠内は配送設定で、下の「保存する」が保存ボタンです。表示金額・重量は公式資料の例です。
出典:Orange Connex:CPaSS操作マニュアル(2026年9月23日確認)
SKUに商品情報を保存していても、別の製造国・付属品構成の商品へそのまま流用しないようにしましょう。CPaSSでラベルを作る詳しい手順も確認できます。
STEP4|価額は仕入れ値でも、振込額でもない

120ドルで売れましたが、仕入れは60ドル相当でした。60ドルを書いてもいいですか?

通常の販売なら、まず照合するのは実際の取引に基づく商品代金です。関税を下げるために仕入れ値を使ったり、eBay手数料を引いた金額にしたりしません。
説明用の取引条件
中古レンズ1本をUSD 120で販売。購入者から受け取る送料はUSD 25。ここでは税・別料金なし、値引きなし、仕入れはUSD 60相当と仮定します。
数量 / Quantity
1 piece
単価 / Unit value
USD 120.00
商品合計 / Goods value
1 × 120 = USD 120.00
送料を別記する様式なら
Freight / Shipping:USD 25.00
商品+送料の合計
この例ではUSD 145.00
書かない金額
仕入れのUSD 60、手数料差引後の入金額、架空の低額
これは金額の関係を理解する例です。すべてのサービスで145ドルを「商品価額」欄に入れるという意味ではありません。商品欄は商品代金、送料の別欄があるなら送料を分けます。税関が課税に使う価額の計算は輸入国の規則・費用内訳によって異なります。

送料無料なら、送料分を商品代金から引いてよいですか?

独断で引かないでください。送料込みで145ドルで売った注文を、根拠なく商品120ドルに分け直すのは避けます。注文の価格・値引き・送料を整理し、様式が求める内訳を正しく申告します。
オファーで値引き成立した注文は、成立後の取引内容を確認。eBayが徴収した税、クーポン負担、送料の扱いが不明なら、注文明細を示して申告方法を確認します。DDPの税額やIOSS番号を商品価額へ適当に足したり、公開欄に貼ったりしないでください。
DHLの公式画面例で、品目と送料の別欄を確認

「数量」「単価」「通貨」をそろえ、重量は欄が求める単位で入力します。個数と箱数、正味重量と梱包込み重量は別です。
画面下側の「インボイス価格」では、総品目価格9,800円と送料12,000円が分かれ、合計21,800円になっています。これは公式資料の例です。「費用を追加」から別費用を入れる場合も、入力・連携済みの送料を二重に足さないでください。
出典:DHL:MyDHL+公式マニュアル p.5(旧画面の項目配置例)(2026年9月23日確認)
画像は2023年版の操作資料です。現在の画面と配置が違う場合も、品目情報と別費用を分けて入力する考え方を確認してください。表示例の原産国・品名・金額をそのまま写すものではありません。
申告と利益計算を分けて整理しよう
STEP5|発送目的・DDP・書類の提出方法を仕上げる
Reason for export
eBayで販売した通常の商品なら、Sale / Commercialなど販売に対応する項目。購入者に頼まれてもGiftに変えない。
Invoice No. / Date
管理できる番号と作成日を記入。複数ページなら同じ取引を追えるよう統一する。
Terms / 貿易条件
販売条件・利用便に合わせる。DDPと書くだけで関税支払いの手配が完了するわけではない。
署名・添付
署名、電子送信、紙の部数を利用サービスの出荷案内で確認。電子送信完了か、紙の添付が必要かまで確認する。
DDPなら、インボイスの記載と配送サービス側の関税・税金の支払人設定を一致させます。運賃の支払人と関税の支払人が別欄になっていることにも注意してください。最新の国別対応はDDP・関税対応の記事、VAT・IOSSの確認方法で扱っています。

紙を3枚入れれば、それで完成ですか?

「どの便でも3枚」ではありません。FedExの案内には3部印刷または電子アップロードという方法がありますが、利用経路・仕向地で必要な提出方法が変わります。ラベル作成後の案内で、電子送信の完了と紙の要否を確認してから渡しましょう。
出典:FedEx:インボイス記入・電子送信・印刷の手順(2026年9月23日確認)
紙を添付する場合は、指定された書類用パウチ等を利用し、確認のために箱を開けずに済む位置へ。ラベルのバーコードを隠さないようにします。インボイスを箱の中に入れるだけで済ませないでください。
送る前の最終チェック|この6つだけは照合する
- 受取人・配送先がeBay注文と一致している。
- 商品名・数量・原産国が現物と一致している。
- 販売価格・通貨・送料の内訳が注文と整合している。
- 箱数、単位重量、総重量の入力を取り違えていない。
- DDP等の条件と関税の支払人設定が一致している。
- 出力PDFの文字切れ・不足・署名・提出方法を確認した。
間違えた場合・返品の場合はどうする?

ラベルを作った後に、原産国の間違いに気づきました。

発送前なら渡すのを止め、使ったサービスで修正・再作成の手順を確認します。紙だけ手書きで直し、電子申告を古いまま残さないことが大切です。発送済みなら追跡番号と訂正内容を配送窓口へ伝えます。

返品・修理品なら、金額は0でいいですか?

0と決めつけないでください。販売ではない理由を正しく記載し、価額や元の取引書類、追加書類の要否を確認します。無料の返送と、通関上の価値がゼロであることは別です。
最初の1件は、注文詳細・入力内容・出力されたインボイスを並べて照合してみてください。次回から使う商品情報を保存するのは、内容が正しいことを確認してからです。

