
10月からEUは全部DDPになるんですか?送料を3ユーロ上げれば大丈夫ですか?

まず対象注文を確認しましょう。日本からEU27か国へ送る商品価格150ユーロ以下の対象取引で、DDP対応便が必要になります。送料の変更だけでは、実際の荷物はDDPになりませんよ。
eBayは、2026年10月1日からEU向けの対象取引について、SpeedPAK以外も含めたDDP発送を必須と案内しています。この記事では、日本から発送する初心者向けに、対象の判定・費用の見積もり・eBayの送料設定・ラベル作成時の確認を順番に解説します。
最初に結論
2026年10月1日16時以降(日本時間)に成立する対象取引から対応。発送日ではなく取引日が基準です。
商品価格は送料を除いて150ユーロ以下。EU27か国が対象で、英国は含みません。
制度・公式資料の確認日:2026年9月24日。対象・費用・受付方法が更新された場合は、発送する時点の公式案内を優先してください。

出典:eBay Japan:EU向け取引におけるDDP発送必須化(9月16日更新)(2026年9月24日確認)
何が変わる?「EUの関税」と「eBayの配送ルール」は別
| 変更 | 時期 | 出品者への影響 |
|---|---|---|
| EUの少額貨物への関税 | 2026年7月1日から | 150ユーロ以下の通販貨物などで、分類品目ごとの暫定3ユーロ関税が導入。 |
| eBay SpeedPAKのEU向けDDP | 2026年6月から先行対応 | 対象サービス・対象商品では、すでにDDP発送が必要。 |
| eBayで全キャリアへDDP要件を拡大 | 2026年10月1日16時以降の対象取引 | SpeedPAK以外に変えても、対象注文はDDP対応便を選ぶ。 |
つまり「EUの法律で、10月から世界中の全商品が一律DDPになる」という話ではありません。この記事の10月の変更は、eBayが日本などからの対象取引に設ける配送要件です。公式案内は一時的な要件としており、今後の変更も確認します。
出典:eBay:日本・韓国からEUへの配送ポリシー(2026年9月24日確認)
出典:eBay Japan:SpeedPAKのEU向けDDP対応(2026年9月24日確認)
DDP・DDU・IOSSを混同しない
DDP
輸入時の関税・税金等を出品者側で処理する配送方式。実際の契約・請求方法まで合わせる。
DDU
輸入時の関税等が受取人側に請求される方式。今回の対象注文では選べない。
IOSS
EUの輸入VAT(付加価値税)を扱う仕組み。VATの徴収と、関税の支払いは別の話。

eBayが購入者からVATを取っていたら、それで関税も払ったことにはならないんですね?

その通りです。eBayで徴収されたVATを二重に見積もらず、新しい関税や配送会社の手数料は別に確認します。注文の税情報を、配送会社が指定する方法で正しく渡すことも大切です。
出典:FedEx:EU少額貨物の関税とIOSSに関する案内(2026年9月24日確認)
対象になる注文・ならない注文を具体例で確認
| 注文例(いずれも日本発送) | 今回のDDP要件 | 理由 |
|---|---|---|
| 10月2日成立/フランス/商品140€+送料25€ | 対象 | 商品価格は送料を除くため140€。合計165€だけを見て対象外にしない。 |
| 10月2日成立/ドイツ/商品150€+送料20€ | 対象 | 150€ちょうども含む。 |
| 10月2日成立/イタリア/商品150.01€ | 今回の150€以下要件の対象外 | この要件上はDDU可能。ただし課税・配送サービスの独自条件は別。 |
| 10月2日成立/英国/商品100€相当 | 今回のEU要件の対象外 | 英国はEU加盟国ではない。英国向けの税・配送条件は別途適用。 |
| 10月1日15時成立/ドイツ/商品100€ | 今回の拡大要件の開始前 | 日本時間16時より前の取引。ただしSpeedPAK等の既存のDDP要件を無視できるわけではない。 |
ドル建ての商品を、いつでも同じドル額で150ユーロ相当と決めつけないこと。境界に近い取引や複数商品の同梱は、注文の通貨換算・申告単位を確認します。eBayの対象判定と、税関での貨物価額の判定も同じものと決めつけません。
対象のEU27か国を開く
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン。
eBayの「Europe (including UK)」という配送地域名は、EUと同じではありません。英国・ノルウェー・スイス等を一緒に扱わないようにします。離島・海外領土などは、国名だけで税制や配送条件を決めず、実際の住所・郵便番号で受付条件を確認してください。
出典:eBay Japan:対象国・対象価格・適用日(2026年9月24日確認)
費用は「送料+3ユーロ」で終わらない
EUの暫定関税は、対象となる少額通販貨物で関税分類に基づく品目ごとに3ユーロ。箱1個につき必ず3ユーロでも、商品の個数×3ユーロでもありません。
関税分類で数える例
同じ分類に入るTシャツが複数枚 → 1分類なら3ユーロ。
Tシャツと時計 → 異なる2分類なら6ユーロ。
同梱すれば全部3ユーロになる、という計算はしません。
これは通常の対象通販貨物の説明です。非IOSSでH1申告を行い、特恵貿易協定等の条件を満たす例外などもあります。「日本発送だから自動的に免税」とは扱いません。
出典:欧州委員会:少額貨物の暫定関税・分類ごとの計算例と例外(2026年9月24日確認)
| 見積もりに入れるもの | 確認する内容 |
|---|---|
| 運賃 | 梱包後の実重量・容積重量、発送先、利用サービス。 |
| 燃油・遠隔地等の追加料金 | 基本運賃に含むか、別請求か。 |
| 関税・対象となる税 | 品目数、申告方式、eBayで徴収済みのVATの扱い。 |
| 通関・立替・現地手数料 | 配送会社・国・支払方式による費用。3ユーロとは別。 |
| 価格変更に伴う販売費 | 送料を上げた分にも販売手数料等がかかる場合がある。利益見積もりへ反映。 |
商品価格に入れる?送料に入れる?

EUだけの追加費用なら、どこに上乗せするのが分かりやすいですか?

まずはEU向け送料を分ける方法が整理しやすいです。商品価格に入れる方法もありますが、他地域への価格や150ユーロの対象判定も変わるので、変更後まで確認しましょう。
説明用の仮例として、いま購入者から受け取る送料が10ドルで、EU向けの追加負担を5ドル相当と見積もったとします。表示送料を15ドルにして終わりではなく、その変更で増える販売手数料・換金費用まで含め、利益が残るか確認します。10・5・15ドルは推奨料金ではありません。
実際の送料・手数料の整理はeBayの利益管理の考え方も参考にしてください。税関申告の価格を実際より低くする方法や、送料へ不自然に振り替えて基準を避ける方法は使いません。
発送方法は、まずCPaSSでDDP対応便の総額を比較する
このブログでは、EU向けの対象注文は、まずCPaSSのSpeedPAKで利用できるDDP対応便を比較する進め方をおすすめします。理由は、EU向けDDPの公式案内があり、注文と発送の作業をつなげやすいからです。常に最安という意味ではありません。
| 発送候補 | 現時点での見方 | 初心者の選び方 |
|---|---|---|
| SpeedPAKのFedEx・DHL・FICP等 | 対象商品・対象地域のDDP条件を確認する。 | 表示される利用可能便を、運賃だけでなく追加費用込みで比較。 |
| SpeedPAK Economy | EU向けの公式案内ではドイツが対象、商品価格150€以下。 | EU全27か国に使える前提で送料を設定しない。 |
| その他のクーリエ・配送代行 | 対象注文はSpeedPAK以外もDDP必須。 | サービス単位で、EUの対象国・DDPの指定方法・請求費用が確認できる便を選ぶ。 |
| 日本郵便・エアパケット等 | 米国向けDDP対応が、そのままEU向け対応を意味するわけではない。 | 利用する便のEU向けDDP対応を確認できなければ、今回の対象注文には使わない。 |
配送国・商品・重量・契約で使える便は変わります。CPaSSならどの商品でも送れる、という意味ではありません。対応便で採算が合わない地域は、出品前に発送除外国の設定を見直す判断も必要です。
出典:eBay Japan:SpeedPAKの対象サービス・Economyの対象国(2026年9月24日確認)
画像で設定|eBaymagを使うかどうかで手順を分ける
変更前に、現在の配送ポリシー名・送料・配送先を控えます。まずEU向けに見直したポリシーを作り、対象出品に適用する流れです。同じポリシーを共有する出品へ変更が及ぶことにも注意しましょう。
どちらを選ぶ?
eBaymagで他国サイトへ展開している → 方法A
Rate TableはeBaymagへ読み込まれないためです。
eBaymagを使わず、EUだけの料金を管理したい → 方法B
Rate Tableで対象国と料金を分けます。
以下の設定画像は、eBay Japanが公開する実画面の例です。画像内の10ドル・13ドルや配送日数は例であり、そのままコピーする料金・到着保証ではありません。
方法A|同じポリシーでEU向けと英国向けの送料を分ける
Shipping PolicyのInternational shippingで配送サービスを設定します。公式例では、Europe (including UK)向けの行と、United Kingdomだけの行を同じポリシーに用意しています。

- 上の行:EU向けの費用を含めた送料
配送先のEurope (including UK)と、Buyer paysの金額を確認。実際に使える配送サービス・費用に合わせる。 - 下の行:英国向けの送料
配送先をUnited Kingdomのみにする。英国へEU用の追加額をそのまま適用しない。 - eBaymagの英国設定を有効にする
下の画像のebay.co.ukタブと、赤枠内の切替を確認する。

公式案内では、この設定で同じ水準の配送サービスが重複する場合、eBaymagが安い方へ統合します。安い英国向けの行にEU諸国まで入れてしまうと、意図しない料金になる原因なので、対象国をよく確認します。英国以外の非EU地域も、実際の送料表示を点検してください。
出典:eBay Japan:設定方法A(上の2点の画像)(2026年9月24日確認)
方法B|Rate TableでEU向けの料金を分ける
eBaymagを使わない方向けです。以下は既存のWorldwide設定を土台にする公式例。配送できない国がある場合、Worldwideを選ぶだけで終わらず、配送除外やサービスの受付範囲も合わせます。

- 基本送料を確認する
Buyer paysに、基本となる送料を設定。画像の10ドルを推奨額としてコピーしない。 - Rate TableからCreate newへ
画像下部の青い矢印の場所。新しい料金表を作る。 - Cost typeと対象サービスを確認する
Surcharge(上乗せ)なのか、送料そのものを設定する方式なのかを確認。金額の意味を取り違えない。

画像内の①は地域の選択、②は英国を外す操作です。Europeの選択内容を開き、最終的にEU27か国のうち発送する国を対象にします。英国だけでなく、ノルウェー・スイスなどの非EU地域が残っていないかも確認してください。
Surcharge方式で、たとえば基本送料10ドルに追加分5ドルを上乗せしたいなら、追加欄へ入れるのは5ドルです。15ドルを入力すると、基本送料にさらに15ドルが加わる設定になり得ます。画面のCost typeと、保存後の購入者向け表示を必ずセットで確認しましょう。
eBay.comの例ではドル建てです。関税等をユーロで見積もった後、使う為替レートでドルへ換算します。作成したRate Tableは、配送ポリシーで選択して保存してください。
出典:eBay Japan:設定方法B(上の2点の画像)(2026年9月24日確認)
保存して終わりではない。既存出品に適用して確認する
- eBaymagを使わない場合
Seller Hub → Listings → Activeで対象商品を選び、Editから一括編集へ。作成したShipping Policyを割り当てて反映する。 - eBaymagを使う場合
既存商品はeBaymag側で対象商品にポリシーを割り当てる。新規出品はUSサイトで該当ポリシーを選ぶ。US側だけの変更が同期で戻らないか確認する。 - 出品ページで配送先を切り替える
実在するEUの配送先条件で送料を確認し、英国等の非EU向けも比較。購入やテスト注文までは不要。 - 対象出品が取り残されていないか確認する
無料送料の出品、別ポリシーの出品、他国サイトの出品も点検する。
画面の入口や一括変更の操作はShipping Policyの設定方法と出品の一括編集で画像付きで解説しています。
商品説明の「関税は購入者負担」も修正する
対象注文をDDPで発送するのに、説明文が一律「関税は購入者負担」のままでは矛盾します。以下は、実際に条件どおり発送する場合の短い記載例です。
Import duties are handled by us for these orders.
Any VAT collected by eBay is shown at checkout.
意味は「日本からEUへの対象注文はeBayの方針に従ってDDP発送し、関税は当方で処理。eBayが徴収するVATは決済時に表示」という案内です。対象外の国・高額商品まで同じ条件と誤解されないよう、他の記載とそろえます。
注文後の最終確認|ラベルもDDPになっているか

配送サービス名をSpeedPAKにして、ページに関税込みと出れば完了ですか?

まだです。出品画面の送料設定と、ラベルを作るときの関税の支払設定は別です。実際に利用する便が、その宛先・金額でDDPとして処理されることまで確認します。

赤枠のincludes import feesは輸入費用込みの表示例です。この表示だけを見て、別のDDU便で送ってよいとは判断しません。
出典:eBay Japan:購入者向けの表示例(画像)(2026年9月24日確認)
- 注文を判定する
取引日時、発送元、EUの配送先、送料を除く商品価格を確認。 - 利用可能なDDP便を選ぶ
商品・重量・寸法・価格・配送先を正しく入力し、総額を比較する。 - 関税等の請求先を確認する
選択便の仕様でDDPが適用されることを確認。DDP/DDU等の選択欄があれば、受取人負担のまま進めない。 - 税・通関情報を一致させる
注文の税情報、必要なIOSS情報、品名・数量・実際の価格・原産国等を、サービスの指定欄へ正しく反映。公開の商品説明にIOSS番号を書かない。 - ラベル・申告内容を確認して発送する
宛先・申告額・サービス・費用の扱いを再確認し、実際の請求額も保存して次の見積もりへ反映。
CPaSSのラベル作成・集荷までの画面操作はCPaSSの使い方を参照してください。DDP以外の問題、たとえばEU向けのGPSRへの対応や禁制品の確認も、別に必要です。
対応しないとどうなる?初心者が避けたい3つのミス
対象注文をDDUで送る
関税が原因の未着ケースでeBay介入となると、セラー不利・Defect付与の対象。公式は異議申立てによる削除不可と案内。
「3ユーロだけ」で利益を計算する
通関・立替等の手数料や、複数分類の関税を見落とすと、想定利益が減る。
ポリシーを作っただけで放置する
出品へ適用されていなかったり、eBaymagの同期で元に戻ったりすると、意図した送料にならない。
適用開始後の対象取引をDDUで発送した場合、関税に関するNegative/Neutral Feedbackも削除対象外と案内されています。「評価が付いてからeBayに頼めばよい」と考えず、販売前に発送方法と費用を整えましょう。
出典:eBay Japan:DDU発送時のケース・フィードバックの扱い(2026年9月24日確認)
10月1日までに、まずこの5つを終わらせよう
- EU向けの対象出品と、いま使っている配送ポリシーを洗い出す。
- 対象国・商品で使えるDDP便と、追加費用を含む総額を確認する。
- EU向け送料と商品説明を変更する。
- 既存出品・eBaymagへの反映と、購入者向け送料を確認する。
- 受注後に、対象判定とラベルのDDP確認を行う手順を決める。
最初から全商品を一括で大きく変えるより、まず代表的な1商品で、ドイツ・フランス・英国のように配送先を分けて表示送料を確認すると、設定ミスに気づきやすくなります。内容が合ってから対象出品へ広げていきましょう。

